ラクな「糖質制限」は危険!? 健康的に痩せるには

主食を抜くだけ・運動いらずの手軽さが話題の糖質制限ダイエット。しかし、安易に取り組むと健康に悪影響を及ぼすことも。今回の記事では、自己流の糖質制限ダイエットが引き起こすリスクと、健康的な痩せ方について紹介します。

糖質制限ダイエットの特徴

通常、私たちは糖質をエネルギー源にして活動しています。しかし、ご飯やパンなどに含まれる糖質の摂取量を減らすことにより、糖質の代わりに脂質がエネルギー源になります。こうして、体脂肪を燃焼させることができます。このダイエットは、

  • 食事制限で完結する
  • 糖質以外は気にせずに食べられる
  • 短期間で減量できる

ことが特徴とされています。良いことずくめですね。
ところが、このようなイメージだけを頼りにした糖質制限ダイエットでは、健康的に痩せることができません。

糖質制限の落とし穴

体重ではなく、水分が減っただけ

体が糖質を蓄えるためには、水分が必要です。糖質制限をすると、糖質と同時に体の水分量も減少し、短期間でダイエットが成功したように見えるのです。しかし実際は、体重が減っても体脂肪は減っていません。そのため、むやみに糖質制限をしても、リバウンドどころか「そもそも最初から痩せていない」という事態に陥ってしまいます。

カロリー不足で代謝が低下

また、主食を削ることは全体的な摂取カロリーの不足にもつながります。身体は安静時でもカロリーを消費しながら活動しています。いわゆる基礎代謝です。摂取カロリーが基礎代謝を下回ると、身体が飢餓状態になり、代謝も含めた消費エネルギーがセーブされます。そのため、かえって痩せにくい・リバウンドしやすい体質になってしまいます。

主食を抜いて体重ダウン、の安直な考えはキケン。体脂肪率や筋肉量、摂取カロリーまで注意深く見つめる必要があります。

糖質制限が引き起こす体調不良

さらに、体のエネルギー源を根本的にカットする糖質制限は、体調不良に直結することも。

疲労感、集中力の低下

人間の脳は主にブドウ糖をエネルギーにして働きます。糖質制限は、まさにそのエネルギー供給を断つダイエット。「白米は食べない」「夕食は抜く」などの極端な制限をすると、糖分不足で脳機能が低下し、集中力が続かなくなります。加えて、糖分・カロリー不足は身体にも同じように影響し、慢性的な疲労を引き起こします。

低血糖

糖分不足がより深刻になると、低血糖の症状が出ます。めまいや立ちくらみを感じたときは要注意。ためらわず、ジュースや飴を口に含んで安静にしましょう。

また、低血糖とは異なりますが、極度の空腹により

  • 早食いになる
  • 一回の食事量が増える
  • お菓子を食べてしまう

のも危険。血糖値の急激な上昇/低下を招き、やはり集中力の低下や疲労の原因となります。ストレスも増加するでしょう。

健康的に痩せるには?

無理なく糖質カット

糖質を減らすときは、くれぐれも無理のない範囲で。いきなりご飯を抜くのではなく、「量を1/4減らす」など、段階的に始めましょう。また、本当に主食を減らす必要があるかどうか、今一度考えてください。ついつい手が出るお菓子やジュース、インスタント食品…。まずは「余剰」を削ることで、栄養バランスを保ったままカロリーダウンできます。

運動

減量の大原則は「摂取カロリー < 消費カロリー」です。糖質を減らすだけで痩せられるのは、明らかに摂取カロリーが多すぎる肥満体型の人。標準体型~やせ型の人がさらなる減量を目指すには、摂取カロリーの削減ではなく、消費カロリーを増やすためのアプローチが不可欠です。同じ運動でも、ジョギングなどの有酸素運動・筋トレなどの無酸素運動をバランスよく取り入れることで、効果が期待できます。健康的な体作りをして、減量を目指しましょう。

 

まとめ

ラクに見える糖質制限ダイエットには、たくさんの落とし穴があります。健康的に痩せるには、適切な栄養管理と地道な運動が不可欠。自分の身体と真剣に向き合って、無理のないダイエットを心がけましょう。