歳をとるにつれてシワやシミ、毛穴やハリのなさ…などなど、肌の悩みは増える一方ですよね。
そんな大人の肌悩みに効果があると話題の卵殻膜!今回は卵殻膜が美肌に効果があるのかを徹底解説していきます!
卵殻膜とは?
卵殻膜(らんかくまく)とは、卵の殻の内側にある0.07mmほどの薄い膜です。主にたんぱく質から作られている膜で、こんなに薄いのにウイルスや紫外線、菌といった外敵からヒナを守り健康を保つ力があります。
通常、親鳥の体内から産み落とされた卵は、殻を破って外の世界に出てくるまで栄養を与えられません。しかし、21日間のうちに卵殻膜から約100億個もの細胞が生み出されてさまざまな栄養が与えられるので、卵の中でヒナの体や羽毛などの身体作りをサポートします。
このように卵殻膜は生物が生きるうえで必要な健康状態を保つ役割を担い、栄養を与える不思議な力をもった天然素材なんです。
卵殻膜の成分
卵殻膜には、ヒアルロン酸・コラーゲンがもとより含まれています。また、シスチン、プロリン、グリシン、スレオニン、ロイシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジンロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン、セリン、チロシン、フェニルラニンと18種類のアミノ酸で構成されています。
卵殻膜の働き
卵殻膜の大きな働きといえば「Ⅲ型コラーゲンに関連し、健康を保つ効果」が挙げられます。
人間の肌にある「線維芽細胞(せんいがさいぼう)」は、Ⅲ型コラーゲンをはじめ、ヒアルロン酸やプロテオグリカンといった美肌へと導く成分に関与する働きがあります。そして卵殻膜には、その線維芽細胞に関わり、これらの成分の働きをサポートする作用があると実証されています。
美肌に不可欠な「Ⅲ型コラーゲン」に関連する
卵殻膜の最大の特長といえば「Ⅲ型コラーゲン」に関連することです。肌にある線維芽細胞が、Ⅲ型コラーゲンをはじめとするさまざまな美容成分に関わりますが、卵殻膜がこの線維芽細胞の働きをサポートし、その結果、Ⅲ型コラーゲンが働きまるで赤ちゃんのようにハリやツヤ、弾力がありキメ細かい肌に導いてくれるというわけです。加えて肌を柔らかくする効果もあります。
Ⅲ型コラーゲンとは別名「ベビーコラーゲン」とも呼ばれていて、赤ちゃんの肌に多く含まれているコラーゲンの一種で、このⅢ型コラーゲンは加齢とともに減少するほか、食材やサプリメントからは摂取できないことが分かっています。
そのため、卵殻膜の作用によって線維芽細胞の働きをサポートし、Ⅲ型コラーゲンを保つことで美肌効果が期待できます。
人の肌に近いアミノ酸組成
卵殻膜は、18種類ものアミノ酸やヒアルロン酸、コラーゲンを含んでいる「ケラチンたんぱく質」です。日常に追われて忙しい私たちは、普段の食事だけではバランスよくアミノ酸を摂取するのは困難です。しかし卵殻膜を取り入れれば、食事以外からもアミノ酸を取り込むことができるのです。
また人間の肌と近い理想的なアミノ酸の構造であるため、化粧品として活用しても肌馴染みがよく使いやすいことも大きな魅力です。
美肌成分「シスチン」が圧倒的に多い
美肌成分として有名な「シスチン」という成分をたくさん含んでいる卵殻膜。
シスチンは体内に入ると「L-システイン」という成分に変化します。医療用医薬品として処方されるL-システインは、ビタミンCと結合してシミの原因となるメラニンの生成を抑制し、肌トラブルを予防する働きがあり美容業界からも注目されている成分なんです。(医薬品や医薬部外品以外の一般化粧品に使われるL-システインにはメラニンの生成の抑制効果はないです)
また、人の肌にもシスチンは存在していますが、卵殻膜に含まれるシスチンはその5倍以上も含有されています。シスチンを多く含むとされる食材には「大豆」や「かつお節」などが挙げられますが、食材とは比べものにならないほど圧倒的な量のシスチンを摂取できるのも卵殻膜のすごいところです。
卵殻膜の効果は?
卵殻膜にはハリやツヤ、弾力のある美肌に導く効果が期待されていて、先にも説明したとおり、卵殻膜にはⅢ型コラーゲンに関連する作用があるからです。多種多様なコラーゲンがあるなかでも、赤ちゃんの肌に多く存在するⅢ型コラーゲンはハリやツヤ、弾力といった美肌を左右する重要なコラーゲンの一つです。Ⅲ型コラーゲンの働きをサポートすれば、柔らかくハリのある美しい肌に近づけるということになります。
また、卵殻膜に含まれるシスチンが体内に入って変化したL-システインには、年齢に負けない見た目作りに役立ちます。紫外線やストレスが多い毎日を過ごしていると、肌荒れといったさまざまな肌トラブルを引き起こしますが、卵殻膜のシスチンがL-システインに変わって作用すれば、ダメージから保護してくれるため肌トラブルを予防することもできるでしょう。
傷んだ髪の毛にツヤやコシを与える
卵殻膜には、傷んだ髪の毛を補修する効果もあるんですよ。これは卵殻膜が、美髪に必要な「ケラチンたんぱく質」そのものだからなのです。髪の毛は擦れや紫外線といったさまざまな要因によりダメージを受けますが、このときほかの栄養分と一緒に、毛髪内部にあるケラチンたんぱく質が減少していってしまいます。
ケラチンたんぱく質とは、18種類のアミノ酸が結合したたんぱく質で、髪の毛のハリやコシ、ツヤといった美髪を作るうえで重要な栄養素で、ケラチンたんぱく質が減少すると本来の潤いが失われてパサついてゴワゴワな髪になってしまいます。
ケラチンたんぱく質そのものである卵殻膜のアミノ酸組成は「人間の肌と近い」とお伝えしましたが、実は髪の毛とも非常に似ているのです。そのため髪のパサつきが気になるときに卵殻膜を摂取すると不足しているケラチンたんぱく質を補給でるので、ハリやコシのある髪に導いてくれます。
年齢による悩みにも有効
医薬部外品に含まれる成分として承認を受けている卵殻膜はメラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ効果にも期待できます。これは卵殻膜にシスチンがたくさんに含まれているためです。
先にもお伝えしたとおり、シスチンは体内に入るとL-システインに変化して、L-システインがもつ作用に、ビタミンCと結合してメラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ働きがあります。
加えて肌のサイクルを維持し、肌をすこやかに保ちながらトラブルを予防する効果も期待されているんです。つまり、年齢による肌悩みにアプローチし、肌サイクルをサポートしながら、美肌に導いてくれるでしょう。